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ワインバトラー・ハーヴィ

第3回:「就職活動1」

「5月病」と言って、社会人になった新入社員の方も5月になると今後の自分の方向性を本当にこのままで良いのだろうかとあれこれ心配して、少し鬱っぽくなる時期が以前はありましたが、現在はどうなんでしょうか?コロナ禍の中でそのような事よりも就職出来なかった方も多いのではないのでしょうか?

今から38年前の私の頃の就職事情はというと、大企業は早い人では大学4年生の春から夏にかけて就職が内定していた方が多かった様に思います。私も大学4年生になった時、周りでは早々に決まった方が何名かいました。そのことを今では余り使わない言葉で「青田買い」と言いました。青田買いとは「まだ稲が青いうちに収穫を見越してその田の米を買い取ること」で、比喩的に卒業前の学生に対して(早い時期から)企業が社員採用の契約を結ぶことを言います。ただ、大学の研究員や特別な職業は別として、往々にしてコネでの紹介入社が多かったようには思いますが、当時の私は大学院に行きたかったので就職活動はしていませんでした。第一、前回のブログでお話ししたようにアルバイトばかりしていましたので、卒業も単位ギリギリというのが本当のところでした。本当に夏休みになるまで何もしていませんでした。そして親に「大学院に行きたい」と言いましたら、「そんな余裕もないしダメ」と言われましたので、「では、就職活動をしなくては!」と、こんなのんびりした感じでした。

その時の私は、自分は事務職に向いているとは思えなかったので、何となくサービス業に就くという感覚はありましたが、当時アルバイトしていたような所(街の個人経営のレストラン)は、アルバイトには良いけれど一生の仕事とは思えなかったので、どうしようかと考えていたところでした。そんな時に、アルバイト先で、食事のケータリングが入り、横浜の駅にほど近いホテルの宴会場にサービスに行くことになりました。

今までホテルと言えば、中に入ったこともなく、ケータリングでのスタンバイやサービスは初めて参加させて貰うということで、随分緊張しましたが、中に入って驚きました。まず、街のレストランと違って、とても綺麗であったこと。又当たり前の事ですが、ゲストはお客様のスペース(パブリックスペース)があり、従業員にはスタッフのスペース(プライベートスペース)があることです。街のレストランなどでも、今でも★付きのレストランでさえ、はっきり分かれていないところが多いです。

例えばトイレ。ゲストとスタッフが共用であったり、また事務をとるスペースがなくて、ゲストがいない時にゲストのテーブルを使ってデスクワークをしたり、休憩室がなくて、ゲストの長椅子のテーブルでコックさんが寝て休憩したりとか。兎に角、従業員にとってのスタッフ専用のスペースがホテルにはあるということです。これを読んでいる皆さんは?と思うかも知れませんが、ホテルはそのプライベートスペースがキチンとしています。デスクワークをするところ、社員食堂、休憩室、トイレ、仮眠室、ロッカールーム、シャワー室。私は街のレストランで大学4年間アルバイトをしてきて初めてホテルの裏バックヤードを見て、綺麗で、キチンとしていていいなぁと思いました。更に、ホテルでは事務方の仕事(経理や総務、管理の部門など)もあることも知り、最初は何年か表のサービスを経験したら、こういう裏方さんの部署にも異動できるのだということも分かったので、ホテルに就職することに決めました。

ところが、もう夏休みも終わり掛けていた頃でしたし、特に私は大卒の範疇に入ります。大卒というのは当時、ホテル側からすると幹部候補として青田買いやコネの対象で、その時期には殆ど決まってしまっていたというのを後から知りました。私の家族、親族は映画関係に勤務していましたが、私は父の働き方を見ていて自分には向いていないと思いましたので、映画関係には進もうとはしませんでした。このことは後ほど別の機会にお話し致します。

私の叔父に「全国にチェーンホテルを持つ大きな鉄道関係の資本のホテルグループが未だ募集をしているみたいだから俺の紹介で受けて見ろ!」と言われましたので、今でも覚えていますが当時四谷に本社のある会社の会場に行きましたら200人もの志望者がいました。全員が大学生です。一人、内定を取り消したので枠があるからと知ったのは後からでしたが、200分の1ではどう見ても私には無理だと分かっていましたし、何しろ試験問題が時事問題について英語で2時間以内にまとめないといけないという内容でしたので、何も書かずに2時間を無駄にしました。まだまだ就職活動は続きます。

それから前述したノブさんに「ホテルではないけれど、サービスやソムリエになるならホテルに似たような形態で東京會舘を受けたらどうか?」と言われました。大学の就職教務課にいったら募集が出ていたので、受けましたら何と役員面接まで行きました。試験内容の初めは一般教養だったので何とか切り抜けられたようでした。役員面接の前に小論文があり「これからの新しいサービスについて」という題目で記述、その後、面接になりました。よくあるように志望動機とか、サービス業とはあなたにとってどの様なものかなどという質問でしたが、最後にその席にいらした方トップの方が次のように質問してきたのを覚えています。

「閉店時間の22:00は過ぎました。そこでお客様があと一皿、どうしてもこの料理が食べたいとか、ラストオーダーが21:30で、21:35分にどうしてもこの料理が食べたいと言ったら君ならどうする?」と質問されました。正直、私はどう答えて良いか分かりませんでしたが、「お客様が第一なのでお客様がそのように言うのであればやります」と訳の分からない答えをしてしまいました。さて、あなたならばこの質問、同じ状況でしたらどのように答えますか?多分、正解は無いのだと思います。

普段、どの様にチームとして働いているか、又レストランでは調理場とのコミュニケーションが大切なのでそれが上手く機能しているかにもよりますし、その様な質問をしてくるゲストがいわゆる常連なのか一見のゲストか、はたまたVIPなのかで変わるでしょう。例えば、常連のゲストで高価なワインとお料理を楽しんでいらっしゃれば無下にはお断りできませんでしょうし、あらかじめ調理場に伝えてもしかしたらエキストラな注文が入るかも知れないと前もって伝えて置くかもしれません。そして、「今回だけですよ!その代わり次回も宜しくお願いします」と言葉を添えるかもしれません。又初めてご利用される方にはご丁寧にお断りして、次回のグラスワインサービス券を渡すかも知れません。

因みに、東京のシティーホテルでバブル絶頂の頃、このような事を言うゲストは本当に頻繁にいらっしゃるゲストで、もうこのようなゲストは自らのわがままの代償をお金で払う事を知っていますから、「遅くなっちゃって悪いね」と言って「今日は調理場も残ってくれているんだろう、全員でスタッフは何人いるの?7人?じゃ、これ!」といって10万円くらいをタクシー代としてくれたりしました。気っぷがいいですね。太っ腹です。今はどうなんでしょう…?

さて、お話を戻すと面接での受け答えは宜しく無かったので当然、落ちてしまいました。東京會舘のプルニエは当時、魚料理を作らせたら日本一というくらい有名なお店でした。又著名人達もよく使っていましたし、宴席も数多く受けており繁盛していたようです。はてさて…私の就職活動はマダマダ続きます。

by ワインバトラー ハーヴィ

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