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ワインバトラー・ハーヴィ

第5回:「ソムリエを目指す2つの道」

1984年に新入社員として入社した「ザ・ホテルヨコハマ」で配属されたレストラン「カラベル」はフランス料理のお店でした。今の★付きのレストランではお皿の上にお料理が芸術の様に華やかに盛り込まれて、見た目もとても楽しめるものが多いですが、その当時ももちろんその様な料理もありましたが(確かにオードヴル等は多かったですが…)、魚料理やメインとなる肉料理のお皿の上は大体が三部構成となっていました。

三部構成とは、メインの素材と調理法、ソース、付け合わせの三つです。まずはメインの素材、そしてそれがどの様に調理されているか。例えば、魚料理ならば、タイ、スズキ、ヒラメ、ホウボウ、イサキ、イトヨリ等の魚がどの様に加熱されているか。グリルなら香ばしく焼きあがるでしょうし、ポッシェ(ブイヨンで軽く煮る)なら外身も柔らかく中もジューシー、ソテーなら皮目はカリカリで中はホクホク等。二つ目は、フランス料理としての命と呼ばれるソースで、クリーム系やバター系、オリーヴオイルにハーヴが効いたもの等、その調理法に相まって、更に魚の味わいを引き出します。三つ目は、お口直しとして添えられる付け合わせになります。色々な味を知らないといけないですが、最初はそれがどんな魚なのか言葉で説明できなければなりません。皆さんが何気なく食べている日常的な魚、例えば、サンマ、アジ等、それらがどんな魚か口頭できちんと説明できますか?食に関する仕事に就いた、若しくはこれから食を生業として行こうとするのならば、私からの一番初めのアドバイスはこのことです。自分が売ろうとしているものの味が説明できない様では食のプロではありません。これ、美味しんですよ!新鮮で今が旬です!なんて小学生でも言えます。もしこれを読んでいてハッと気が付いたら、一歩前進です。

座学とは良く言いますが、三部構成のメインの素材と調理法、ソース、付け合わせの三つが座学で学ぶことにあたります。次に新入社員として受けるのがサービス実技やオリエンテーション、サービスマンとしての一般常識ですが、これらは座学というよりも実践で経験を積んでいくものになります。私の場合はソムリエになりたかったので、そういう事は人より早く早く学ぶべきだと考えていましたので、良く先輩や上司を観察していました。で、何をしたのかというと、他のスタッフより早く出勤して、スタンバイだとか掃除だとか、いわゆる雑務というのを早めに片付けていました。色々な上司がいますからその方達の様々な技術や方法を教えてもらいたかったのです。でも早く出勤した私に、ある先輩はこんなことを言いました。「お前が早く来て仕事しているから、助かるどころか、やること無くなっちゃうからやめてくれない?早く来るの。」確かに一理あるなぁとも思いましたが、私はその当時は頑固でしたので、早めの出勤はやめませんでした。およそレストランというのはスタンバイの準備ができれば後は流れるように営業が進んでいきますから、大事なのはこのスタンバイです。

で…スタンバイが早く終われば後は暇な時間ができる訳ですね。私はその空いた時間に先輩や上司から色々な事を教えて頂きたかったのです。でも暇な時間ができると、男社会ですから、自動車、パチンコ、スロット、ポーカーゲーム、飲み屋、女性の話ばかりだったのです。「そういえば、山下公園に横付けされていたベンツかっこよかったなぁ」とか、「長者町のパチンコ屋でいくら儲かったよ!」とか、そんな話ばかりでしたので、本当にがっかりでした。もしかしたら今でもそうではないですか!職場でパチンコやスロットの話、しているスタッフいませんか?車や釣りとか、年齢を重ねたスタッフでゴルフの話とか、とにかく料理の知識もおぼつかないのに、くだらない話をしているスタッフは必ずいます。これを読んでいるあなたはもうそんな話には耳を貸さず、サービスの本を読んだり、自己啓発のために何かやるべきです。後になってボディブローの様に効いてきます。それでは手遅れなんですよ。ご忠告させて頂きますね・・・。

私の場合、職場にたった一人だけ通勤から退勤までワインの本を肌身離さず持って勉強している先輩がいました。この方こそ私がこのホテルで出会った初めてのソムリエでした。勉強熱心で家庭を大事にし、優しい先輩でしたが、私がこの先輩から言われたことは、「ハーヴィはソムリエになりたいんだろ?ならばレストランに配属されてよかったな!ソムリエはワインを扱うから、つまり飲み物だからバーテンダーからなるタイプと自分の様にレストランギャルソン(ウエーター)からなるのでは、絶対、レストランを経験した方が良いからね。」でした。それは後からわかることですが、当たり前ですがソムリエはレストランで働くことが主な業務なので料理の知識、サービスのマナー、プロトコールも学べます。バーはお酒、主にハードリカーとカクテルなどの創作が主なので、お酒を知っているからといって「ハイ、では、ソムリエできるでしょう!」なんて簡単にはいかないのです。なってから苦労する方たちをたくさん見てきましたので、自分は本当にラッキーだったと思います。

by ハーヴィ

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