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ワインバトラー・ハーヴィ

第6回:「赤ワインのテースティングの仕方」

今のところ私のホテルマン時代の初期のころからのお話ばかりで、表題が「ワインバトラー」と言いながら余りワインについて触れることが無いので、今回はワインテースティング(試飲)のお話を中心に綴ろうと思います。試飲するのはフランスの赤ワイン(ボルドー地方産)です。皆様の中にはワインに詳しい方もいらっしゃるかと思いますが、ソムリエの試飲の方法を分かりやすく説明させて頂きます。まずは赤ワインをご用意ください。

では、早速始めていきたいと思います。(カツコ)内の語句はやや専門的な用語ですので予めお断りさせて頂きます。まずは、ワイン約45~50mlをグラスに注ぎます。手前から反対方向に45度位グラスを倒してワインの外観を観察します。最初は色合い(色調)を観ます。このワインですと、「全体に紫がかったやや濃いルビー色」と表現します。この「紫がかった」という言葉がポイントです。

仕込まれたばかり、造られてビン詰めされたばかりの(若い)赤ワインは葡萄の皮(果皮)から抽出される色合いを帯びるので、この紫の色がワインの色合いに反映されます。やや濃いというのは使われる葡萄にもよりますが(品種特性)、皮が厚かったり粒が小さいと色は濃く出てきます。ボルドー産のワインはカベルネという葡萄をメインに複数の葡萄を使いますので濃い色合いになるのが普通です。

しかし私がここで「やや濃いルビー色」と言っていることに気が付いて下さい。紫がかっている=まだ若いワインなのですが、この紫色が取れてガーネット色→やがて煉瓦色と、赤ワインの色は年を経過するたびに変化してゆきますが、濃さというのもだんだんに落ちて薄くなるのが普通なので 「やや濃いルビー色」 というのは “ちょっと熟成が始まっていますよ” というニュアンスを含む言葉になります。

年月を重ねた、つまり熟成が進んだワインは紫の色合いが落ち、やや淵がオレンジ色掛かり、色合いも薄くなるというのも覚えておいてください。もちろん造られる葡萄の種類によっても違いは出てきますので全部がそうではないこともお含み置き下さい。でも、ボルドーの赤ワインには当てはまります。

次に、注がれたワインの淵を観て下さい。やや透明な線が出ているのが分かりますか?グラスの淵にリング状になって現れています。これを専門用語でディスクといいます。このディスクが厚くなるとワインの熟成が進んだことになりますので覚えて置いてください。

このワインのディスクはやや薄めです。次に傾けたワイングラスを戻してください。するとグラスの内側表面を伝って液体が何本かの線になって涙の様に流落ちるのが見えます。これを専門用語でレッグス(足)とかティアーズ(涙)とかいいます。

これは何を観ているかというと、ワインの粘着性(粘性)、つまりトロッとしているかどうか、アルコール感が強いか弱いかを観察しています。アルコールが強いと粘性はトロッとします。また熟成が進むとすっと素早く流れて落ちます。ちょっと難しいですかね。

次に、香りを嗅ぎます。よく、ワインをグラスに注がれると直ぐにグルグル、グラスを回す方がいらっしゃいますが、試飲の時は最初からそれをしてはいけません。注がれたワイングラスにそっと鼻を近づけて香りを嗅ぎます。

「嗅ぐ」というとクンクン嗅ぐようなイメージの言葉なので、これからは専門用語で「嗅ぐ」ではなく、「唎く(きく)」と表現します。そこで落ち着いた状態(静態)での香りの強さを確かめるのと同時に、どんな香りがするのかを唎きます。このワインですと、カシスやブルーベリーに香りがほんのり香ってきています。ここで重要なのは、「黒い皮の果物の香り」のように表現するのではなく、具体的な果物の名前を例えて出していくことです。

これは聞いている人に分かりやすくするためです。次にグラスを回して空気を取り込んで香りを引き立たせてあげます。この時、通常は時計と反対方向にグラスを回します(スワーリング)。空気に触れると静態では隠れていた色々な香りがどんどん表に現れてきます。

カシスやブルーベリーの他には干したプラムやピーマンを二つ割りにしたときの様なベジタブルな香り、更に木樽熟成からくるやや苦甘い甘草(リコリス)の様な香りが後から追随して出てきます。シガーケースを開けた時の様な香りも見え隠れしています。

今、試飲しているワインですが、このリコリスやシガーケースの香りがあるというのは実は非常に重要で、ボルドーのワインで微かでもこの香りが出てくるとレベルが高い、味がしっかりしているワインになります。更に上級に格付けされたワインとなりますと、ヒマラヤ杉や刻みタバコの香りが加わってきますが、このワインはその格付けされるワインに少し肩を並べる様なワインということになります。

次に、味を唎いて行きます。唎くというのは味を見る時にも使います。赤ワインの味を見る時のポイントは、甘味、辛味、酸味、苦味(渋み、タンニン)です。このワインは辛口なので甘味については後から解説します。味は「良く練れた渋みが柔らかな酸味と融合しています」。

「練れた」というのは苦みが「渋~い」という感覚ではなく、円やかで口当たりが強くない、つまり簡単に言うとそんなに渋みが強くないということと、その原因が熟成が始まっているということにあるということです。

酸味はワインの特徴を顕著に表す指標の様なもので酸味があるアルコール飲料はワインの最大の特徴なのです。味覚は、甘味、辛味、酸味、苦味(渋み、タンニン)更に塩味がありましたね。小中学校で理科の時間で習いました。覚えていますか?

例えば甘味を感知するセンサー(味雷)はどこが一番多いのでしたっけ?そう、舌先ですね。辛味は?舌の中心。酸味は舌の両側。苦味は舌の奥。塩味は舌全体でしたよね。

今ではファーストフードの時代で若者の味覚が落ちていると言われていますから全部が全部、当てはまるとは言えませんが大体は合っています。皆さんも実験してみて下さい。故意にワインを舌の先や中心、又は舌の両側などに意識して液体を置きます。すると味わいの感じ方が違うのを認識できるようになりますよ。舌で味を感じることを味覚といいます。

次は触覚です。触覚というのは味覚と違い、口の中で感じる感覚のことです。例えばアルコール。アルコールは口の中に入るとやや温かな熱感となって感じたり、ヒリヒリしたりする感覚です。又炭酸等、シュワシュワしたのも味ではなく感覚ですね。これらを触覚といいます。

ですから味=味覚は「良く練れた渋みが柔らかな酸味と融合しています。」「そしてその味わいに落ち着いたアルコール感が加わってふくよかな味わいを強調すると同時に上品な仕上がり、洗練された味わいに引き上げています。」と付け加えて表現出来ます。味覚と触覚、分かりましたか?

次にアフターフレーバー(含み香、残り香)です。これはワインを飲みこんだ後に口内から鼻孔に抜けて行く香りのことです。このワインは、香りのところでお伝えしたとおり果実や木の香りが有りますので「アフターフレーバーはプラムや杉の木の香りが微かに加わって長い余韻となって残ります」という表現で宜しいかと思います。

どうですか?こんな感じでソムリエは唎き酒(テースティング)をして行き、最後に、これはどんな料理に合うか、又どんなグラスで飲むべきか、どんなスチュエーションがいいか等、アドバイスをして行きます。合わせる料理は、単純に「赤身のお肉」とかでは具体性に欠けるので、どのような料理なのかきちんと説明しなくてはいけません。

このテースティングした赤ワインは一言でいうと円やかなタンニンをもった上品、上質な赤ワインなので、フランス料理ならば仔牛のローストで、フォンドヴォーのソースを添えたもの、又は普段、家庭でもできるような料理ならば和牛肉のフィレをさっとソテーして美味しいお塩を少し上からまぶす様な簡単でありながら上質な料理が良いでしょう。

グラスは香りを立たせるためにやや大振りなグラスで、18~20℃位の温度が良いでしょう。温度は冷たすぎると香りが引き出されません。高すぎるとタンニンが強くなり苦みを感じる様になります。この温度にするにはどうしたら良いかというと、家庭の冷蔵庫で5℃位に冷し、ある程度冷えたら1時間位放置してください。するとこの温度に近づきます。ただし季節にも因りますが…。またデカンタの様なものに移し替えると香りも空気に触れて更に引き立ちます。

今回は第一回目なので、ボルドーの赤ワインで行いました。どうでしたか?あれ?実際に飲んでみないと分からないよ~!と言う方、ポントコミュニケーションズではこれから初心者向けのワイン講座も検討中です。今回はその宣伝も兼ねて記させて頂きました。ご興味のある方は是非、開催決定次第、お申込みを。又お勧めのワインも紹介していきますね。

by ハーヴィ

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